資格学校と製図試験com:出題コンセプトの違い

資格学校と製図試験com。共にめざすところは、受験生の合格です。そして求めている合格レベルにもそう大差はありません。しかし、その出題コンセプトとプロセスが全く異なります。受験生の方々が選択される際のひとつの参考にしていただければと思います。

この試験は、1棟の建築物を6時間30分で設計する試験です。ですので時間内に設計できる能力があればよいだけです。では「時間内に設計する力」をつけるためにはどうしたらよいでしょうか。これが出題コンセプトのスタートラインです。

 

■課題数

消化できるのであれば、できるだけ多くの課題を解くことで経験値が上がるので有利だと思います。しかし通常、2,000m2級の建築物の1週間に2案も3案も基本設計することはありません。1週間1案をじっくり考えても全く短いくらいです。製図試験comでは大体2週間程度は色々考えていただいてます。少なくとも2週間程度、課題と向き合えば大抵のことは考え尽くせるはずです。それを考えると課題数は前半戦は月1課題程度、後半戦は2週で1課題程度がベターだと位置づけています。
資格学校によっては実施しているのですが、同じ課題で条件を一部変更して解かせるやり方がありますが、一見問題作成の手抜きのように見えますがこれは効果的です。ひとつの課題を深めることができるからです。

■難易度

資格学校の課題は、最初は基本的な課題から始まり、学科試験合格発表くらいから応用問題に入ります。初年度の方にはとてもいいしくみだと思います。製図試験comは課題数が少ないので最初から本試験モードの問題しか出題しませんというかできません。捨て問題はないのです。全て本試験相当の難易度を設定しています。

資格学校の課題の問題点は、2年目、3年目の受験生も簡単な問題から入らねばならない点です。どうも最近通期と短期では問題を変えているようですが、それも場当たり的な違和感があります。1年目といっても4年目の方もおられますし。

■前半戦の問題構成

数と難易度に加え、前半戦の問題構成は非常に重要です。資格学校の多くは、1ヶ月に1題ずつ過去問と過去問変形問題を行っていると思うのですが、これもちゃんとできれば、この学習方法がベストです。
なぜなら本試験自体、7月末に発表されて10月第1週に行うものであり、学習時間はわずか2ヶ月半程度しかありません。その間で「リゾートホテル」や「道の駅」を仕上げていくわけです。その感覚を1ヶ月に圧縮して行えば、例えば4月から、「美術館」「図書館」「道の駅」「子育てセンター」と1ヶ月単位で仕上げることで、本年度課題の2ヶ月半は非常に長く余裕をもって対応できる感じがするはず、だからです。

製図試験comも一時期この方法で前半戦を組んだことがありますが、結構不評でうまくいきませんでした。それは
1)1ヶ月では美術館の構成を理解するのが精一杯で、実際に回答レベルまで仕上げるのは難しい
2)製図試験にそこまでモチベーションもないし、10月まで緊張感が維持できない。
という結果を招いたからです。

資格学校が1ヶ月単位で過去問題をやるのはそれなりの意味がある

製図試験comがこの方法を採用した理由はもうひとつ別な点にあります。資格学校の採用理由については推測ですが、1ヶ月単位で異なる建築物を計画することで違う建築物のタイプなのに共通項を見いだせること、そして違う建築物のタイプであっても試験的なミスポイントにも共通項があることを体感してもらうことが重要だからです。

製図試験comの前半戦は全てコミュニティセンター(もしくは基準階型)。

ここ数年、製図試験comの前半戦課題では全く逆のアプローチを取っています。基準階型の年度(奇数年)は基準階型課題のみを、非基準階型の年度(偶数年)の場合はコミュニティセンターのみを行います。徹底的に雛形を学習することにしています。雛形を学習しオプションとして、図書館機能や美術館機能、商業施設機能や子育て機能を付加しています。目標とする到達点は資格学校と同じです。いろんなコミュニティセンター型の建築物を経験することで、どんな公共建築物や非基準階型の出題がなされても、全部同じアプローチで解法できる感覚をみにつけていただきたいということです。

どちらがいいのかではなく、どちらのアプローチの方があなたに合うのか。という視点で考えてみてください。

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