アクティブ・ラーニングから考える製図試験。

製図試験comでは、受講生間のディスカッションやアクティブラーニング等を積極的に取り入れようとしていますが、それには次のような理由があります。

受験生経験で試験を語ることなかれ。

一級建築士設計製図試験は、社会人として設計経験が必要ということになっています。日本では学生はコンシューマー(消費者)的ですが、社会人としての設計経験が必要だということは、消費者ではなく者系へのサプライヤー(供給者)やプロデューサー(生産者)としての視点が不可欠だと考えられているということです。

つまり、設計製図試験は、これまでの大学や高校受験とは異なり、普段から社会人として供給している業務、実務経験を製図試験の中で示すということが求められているわけです。単なる座学での知識だけが求められているわけではないのです。

ところが多くの受験生は、受験となると受験生モードで対応してしまいがち。「実務はできるんだけど、この試験は難しい。」と思っている方の多くが、この受験生モードになっている可能性が高いです。

また資格学校に通ってしまうと多くの受験生は消費者モードになります。資格学校は何もやってくれない、高い受講料を払っているのに、になってしまう。もうその時点でズレてます。資格学校に通おうがどうしようが、あなたは社会人として、プレゼンする試験を受ける。そのために足らない部分を学校から取捨選択するだけの関係なのです。

設計したプランを作図して要点で説明する試験

問題が与えられてそれを6時間30分で答案にするのですが、実際には、クライアント(施主)がいて、その設計要望書としての問題文を読みこなし、要望しているのはこのようなプランですね、とプレゼンする試験です。しかもあなた自身の提案は最小限とし、まずファーストプランとしてクライアントが要望する内容をまとめてあげるという試験です。

ですから、工務店等で住宅設計や監理をしている方は実務そのまま、構造や設備設計をしている方も意匠設計者との打ち合わせ実務のまま、営業業務をしている方も条件をまとめるところまでは実務そのものです。

想像力(創造力ではありません)を発揮して、普段やっている実務をイメージしつつ、問題文の要望をプラン化しプレゼンするだけなのです。そのために足りない部分はあるかと思いますが、それらを集中して補えばよいのです。

アクティブラーニングVSパッシブラーニング

近年、アクティブラーニングが注目されています。アクティブラーニングとは簡単に説明すると受動的なインプットだけでなく、能動的なアウトプットを学習の中に取り入れる方法をいいます。従来の学習スタイルはパッシブラーニング(受動的な学習)つまりインプット中心の学習でした。

ですがこの製図試験はインプットだけでなくアウトプットが非常に重要です。設計してプレゼンする試験ですから。その際、講義等はインプットのみで、試験だけアウトプットも求められてもなかなかうまくいかないわけです。インプットしつつ常に考え、アウトプットする能力を磨くことが、一級建築士の職能として求められているといってもよいでしょう。

本来製図試験勉強は、アクティブラーニング向きなのです。学科試験は得意だけど、製図試験はどうやったらよいかわからない方の多くは、設計ができないということよりも、能動的に提案する感覚が足りないのではないかと感じています。

このような背景の元、グループディスカッションや受講生間での答え合わせ等が非常に効果的だと考えているわけです。

ラーニング・ピラミッド

アメリカの国立訓練研究所が示す学習定着率ですが、右図のようなピラミッド構造になるという研究があります。厳密な統計ではないですが、黙って聞いているだけでは記憶にはあまり定着せず、人に教えたことは自分自身でもよく覚えていることを示しています。

結論としては、実務者として社会人としての受験という枠組みでこの試験を捉え直し、インプットすることだけで泣く、できるだけアプトプットを行うことを意識しながら学習することで、より合格に近づくことができる。そのために、より自身の知識を教える、討論する、ということを学習の中に取り入れることが重要だと考えています。

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