吹抜け面積問題

用語
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吹抜けの定義

 open ceiling / open beam
床の一部もしくは全部を開口し、二層以上の階を垂直に貫いて、連続する空間
建築学用語辞典 日本建築学会編 岩波書店

(フキヌケ)の意味・解説

吹抜けとは、2階以上にわたって床に当たる部分を設けず、下から上まで素通しに開放したスペースのこと。玄関やリビング、階段部に吹抜けを設けることが多い。 視覚的な広がりが得られる。

SUUMO(スーモ)住宅用語大辞典 https://suumo.jp/yougo/h/fukinuke/

現在、webサイトを検索すると様々な情報が氾濫しています。製図試験では、建築基準法、建築基準法施行令を原則としています。告示は微妙です。基準法、令にないものの定義は、「建築学用語辞典 日本建築学会編 岩波書店」に寄ってルール化しています。
SUUMO辞典とかはあくまで参考程度に留めておいてください。

基準法には存在しない吹抜け及び吹抜け面積の定義

実は、製図試験において、長い間謎であったもののひとつに「吹抜け面積」があります。具体的には、下記のような空間。つまり風除室の上は「吹抜けなのかそうではないのか問題」です。建築基準法に「」も「吹抜け面積」の定義はありません。あるのは床面積の定義だけです。(令2条1項3号: 建築物の各階又はその一部で壁その他の区画の中心線で囲まれた部分の水平投影面積による。)
しかも基準法ではなぜか「吹抜き」なんですよw。なんだろうね「吹抜き」って。
法的根拠ががない場合「建築学用語辞典 日本建築学会編 岩波書店」がひとつの基準になります。つまり日本建築学会の定義が最も権威ある判断と考えているということになります。
そんな話を延々しても仕方ないので、ここでは出題パターンと弊社の考え方をみておきましょう。

過去に出題されている吹抜け

吹抜けは平成10年以降、下記のようなパターンで出題されています。


h10 共用ロビー 吹抜けを設ける。
h14 エントランスホール 吹抜けを設け、高木(樹高8m、枝張り4m)を植栽する。
h16 エントランスホール 吹抜けを設ける。
h17 エントランスホール 40m2以上の吹抜けを設ける。
h22 エントランスホール 吹抜けを設け、吹抜け部分に展示部門のホワイエへの主動線として階段を設ける。
h24 適切な場所(小ホールを除く。) まとまったスペースで150m2以上の吹抜けを設け、豊かな空間となるように計画する
h25 エントランスホール 1階と2階の空間の連続性を考慮した吹抜けを計画する。
h26 吹抜けを適切な場所にまとまったスペースで80m2以上設け、その吹抜け部分は梁
を設けない構造計画とする。
h27 エントランスホール まとまったスペースの吹抜け(約100m2)を設けるとともに、自然採光を確保する
h30 エントランスホール 1階から3階までの吹き抜けを設ける
R01 吹抜け 短辺/長辺を 1/2 以上の整形(開口面積は40m2以上)とし、3層の吹抜けとする。自然採光を確保するため、トップライトを設ける。


観ていただいてわかるように、面積を指定している吹抜けは少なく、設ければよいような感じなのですが、問題は、風除室上部です。

製図試験上、吹抜けというには微妙な空間

床の一部もしくは全部を開口し、二層以上の階を垂直に貫いて、連続する空間
実はこの「垂直に貫いて連続する空間」でないとダメか論争が結構長い間ありました。
1)床が開口していること
2)2層以上の階を垂直に貫いていること
3)連続している空間であること
この3点において、吹抜けというには微妙な空間があります。それがエントランスホールの風除室上部です。それを意識してか、R02で試験史上初めて「」そのものが出題されました。
R01  短辺/長辺を 1/2 以上の整形(開口面積は40m2以上)とし、3層の吹抜けとする。
そしてその解答例として、標準解答例で下屋の部分が2FLと同じでなければ、その上部は吹き抜けているという判断が示されました。風除室の上や受付カウンターの屋根の上はどう考えても吹き抜けています。ですが垂直を1FLからと観ると吹き抜けているとは言いがたいという考えもある。そういった状況下、R01の出題でこの判断に一定の評価が下されたので、製図試験でのローカルルールに含めることにした次第です。

製図試験ローカルルール
1)床が開口しており、2)2層以上の階を垂直に貫いている 、3連続した空間
を吹抜け及び吹抜け面積とし、
風除室上部は、原則、吹抜け面積に含むものとする。

参照:令和元年一級建築士設計製図試験「美術館の分館」標準解答例の一部

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