延焼の恐れのある部分

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延焼の恐れのある部分とは

延焼の恐れのある部分は、平成30年度から出題されるようになりました。
その部分にある外壁や開口部には隣地が火災になった際に延焼しにくいよう法的な制限がかかります。

延焼の恐れのある範囲とは(建築基準法第2条第6号)
、道路中心線又は同一敷地内の2以上の建築物(延べ面積の合計が500㎡以内の建築物は、一の建築物とみなす。)相互の外壁間の中心線(ロにおいて「隣地境界線等」という。)から、1階にあつては3m以下、2階以上にあつては5m以下の距離にある建築物の部分をいう。ただし、次のイ又はロのいずれかに該当する部分を除く。

イ 防火上有効な公園、広場、川その他の空地又は水面、耐火構造の壁その他これらに類するものに面する部分
ロ 建築物の外壁面と隣地境界線等との角度に応じて、当該建築物の周囲において発生する通常の火災時における火熱により燃焼するおそれのないものとして国土交通大臣が定める部分

一級建築士設計製図試験では、1敷地1建築物が原則で、かつ500m2以上の建築物を扱いますので全て該当します。
つまりは、敷地境界線もしくは道路中心線から3-5m セットバックするんだけど、公園や河川は、可燃物としての建築物がないのでセットバックは不要。道路にも可燃物は作られないので、向かいに建築物が建っていることを想定したら、道路中心線までセットバックでOKという感じです。

試験的にまとめると、

製図試験ローカルルール
公園河川を除く隣地境界線及び道路中心線からの距離が、1階では3m以内、2階以上は5m以内を延焼の恐れのある部分とし、そのラインを延焼ラインという。延焼ライン内の外壁部分については、RCもしくは防火設備の開口部(扉・窓・トップライトを〇防)とする。

いくつかの例外

1)道路を挟んだ先が公園・河川である場合(h30)
出題された初年度平成30年に例外が飛び出してビックリしました。南側道路の先が公園なのです。道路中心線から3m5mになる前提は、向かいに建築物が建っている可能性があるからですが、道路の先が公園なのです。理屈で考えると、この場合、公園ー道路ー当該敷地となり、当該敷地から南側には延焼する可燃物がないことになります。つまり、延焼ラインは道路中心線からではなく、公園と同じ扱いで除外ということになります。
ところが、どこのどの条文を探してもこの話は出てこないんですよ。ですが結論は、公園ー道路当該敷地の場合は、延焼ラインは公園に面している敷地境界線と同様に除外になります。(h30標準解答例の注釈で解説)

2)ピロティ下を含む屋内駐車場(R03)
ピロティ下を含む屋内駐車場が延焼ライン内にある場合、当然RCの壁にするか、開口部は防火設備にしなければなりません。しかし、ピロティ下の場合、開放されているから安全であるのに、壁を設けたりするのはあまり意味がありません。ただ停車している車は可燃物と見なされ、厳しく区画する対象となっているのもまた事実。そこで防火壁をピロティ下部まで設ける、もしくはピロティ開口部に防火シャッターを設けるということになります。
試験としては敷地面積は実務ほど厳しくないため、そもそも延焼ライン内にピロティ駐車場を設けないというのが原則としたいところです。

参照:福岡市確認申請の手引き P79enshouline.pdf

cf:3階建て一戸建ての1階ピロティ駐車場って延焼ライン関係しませんよね。
これについては、緩和規定があるからなんです。実務をやっているとこちらの方が多く、1階ピロティ駐車場は延焼ラインにかからないと思っている方も多いかもしれません。
・側面が開放的であること
・同一敷地内における車庫の床面積の合計が30㎡以下または50㎡以下のもの(特定行政庁によって異なる)
以上のような条件で緩和されています。試験ではその緩和がないのでお気をつけください。

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