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機能に応じて建築は計画される
建築計画=プランには必ず理由があります。意味がないけど計画したということは、飾り以外はありません。この立場が機能主義です。
「安い」「美味しそう」「新製品だ」という理由があったのでお菓子を買うわけで、意味は無いけどなんとなく買った、というのは機能的な購入方法ではないわけです。
要点が苦手だから丸暗記すると・・・
要点が苦手なので、まずは一旦、意味を考えずに全部覚えるとします。
そうすると、意味ははっきりわからないけど、「安いのでお菓子を買った」と書けるようになります。暗記力が高い方はこういうことができます。
では、なぜ「安いのでお菓子を買った」のかというと、実は覚えただけなので、理由の因果関係がはっきりしない。その上、その他に「新製品」や「美味しそう」もあるけど、それも全部「暗記できる」とすると、覚えはしたものの、もうコントロールがつかなくなります。
見えてないのは山口の方だった
逆に言うと「建築計画=プランには必ず理由があり、理由のない計画はない。」ということが大前提になっている私の脳では、受講生も当然、理由があってプランしている前提になっていたのですが、どうも必ずしもそうではないのではないか。受講生の苦悩が見えてないのは実は私=山口であったのではないかと反省しました。
□ルールを決める人がルールを破る話。
これは以前、ルールを決める人がルールを破るという話で書いたことがあります。
ルールに従う方は、ルールが前提にあるからですが、ルールを決めた人は、なぜそのルールがあるのかを考えて決めているので、その決めた以上のことがあれば簡単にルールを破ります。
理由はルールを決めた以上に大切なことが起こったからです。
製図試験も同じく、道幅の広い道路の真ん中からアプローチする、とか、利用者と管理者はその動線を分離する、ということを「ルール」として覚えていた場合、そのルールに則っていれば減点されません。
そして私はそのルールに従うと問題ないと「覚えさせていた」わけです。
ですが、そのルールは「なぜ」できたのかという理由があるため、その理由は押さえてから「ルールを暗記」する必要がありましたが、「それはわかるでしょー」ってしてきたように思うわけです。
製図試験上のルールの理由
そして、製図試験では、その最上位ルールが、機能的であること、であり、機能的であるということを言い換えると、利用者にとって使いやすい、わかりやすい、管理者にとって管理しやすい、ということがもっとも重要な「理由」になります。
使いやすいために、わかりやすいために、管理しやすいようにするために、どう計画すればいいのか、ということで様々なプランニング上のルールができているわけです。
さらにその上で、快適性(気持ちよさ)や多様性、メンテナンス性や、省エネ・環境負荷低減などが求められています。
加えて実務上との相違点
意匠設計者が面食らうことですが、製図試験で設計実務と大きく違うのは、地域性、工期、経済性、そしてデザイン性は問われていないことです。実務ではこれが一番重要だったりしますよね。そこはほとんど問われていません。
ただし商業施設やオフィスビル等は収益性の話がでてくることがありますが、実務レベルとはかなり異なります。それはその年度で出題の際に考えればよく、製図試験の本体ではありません。
要点への取り組み方の結論
・製図試験では機能主義的観点で計画することが求められています。
・機能主義的観点とは、利用者が利用しやすい(使いやすくわかりやすい)、管理者が管理しやすい、ということです。
・利用しやすさ、管理しやすさを決定するのは、動線とゾーニングです。
・動線は、短いほど機能的=使いやすいです。
・ゾーニングは動線をより機能的に運用するためにエリアを分ける技術で、属性、時間、上下足、課金ゾーニング等があります。
・動線ゾーニングで空間の骨格を作りその上で、快適性(気持ちよさ)や多様性、メンテナンス性や、省エネ・環境負荷低減が求められています。