ローカルルールブック コンセプト

はじめに

もう4年後しでローカルルールブックを作っては壊し、壊しては作っていますが、ようやく原因がわかりました。製図試験のローカルルールブックを作ることは手段であって、目的ではありません。しかし過去3年間は、いつしかこのルールブックを作ることが目的になっていました。
このルールブックを作ることは、受験生のみなさんに使ってもらえるようになり、製図試験のローカルルールを理解した上で、チェックし、ジャッジしてもらえるようになることが目的です。
あなたが使えなければ意味がない。
ところがどう使うのかという点が抜けていたわけです。

受験生がこのLRBを使って添削(チェック+ジャッジ)できることが目的です。

作成コンセプト

製図試験には、実務にはない製図試験のみのルール=ローカルルールが存在します。

なぜか。

それは製図試験自体は、3000平米級の建築物を実務の設計で行うであろう3ヶ月間程度の内容をたった6時間30分でシミュレーションしているため、実際実務では行わないような判断を置き換えて、採点基準にしなければならない宿命があるからです。

だからといって、製図試験ローカルルールを理解して、合格することに目的をおいてしまうと、建築設計の劣化、一級建築士レベルの劣化に繋がってしまいます。

指導する立場としては劣化した一級建築士を量産することは避けたいが、試験には合格してほしい。そういうポジションにいます。そこでとあるルール化をすることにしました。

短期間でひとつのルールに特化することに習熟すること

新たに位置づける

これはもしかすると、カンボジアやマレーシアで建築設計を突然行う場合、そのローカルルールを短期間で熟知して設計するというシミュレーションになるのではないか、と考えました。
製図試験は短期で10週間、長期で8ヶ月間という短期間勝負です。その間に「郷に入らずんば郷に従え」で、理解してそのシステムにデチューンできること。これは建築士の職能と位置づけ、その訓練としました。

こんなルールブックに慣れ親しむ必要はありません。短期でルールを理解し、使いこなせるようになる、合格したら忘れていただいたほうが良いかと思います。
そして何より合格してください。

無料公開と有料コンテンツ

ルールブックとしての内容はこのサイトで無料公開します。そのルールに対しての具体的対応の解説と質問対応については、製図試験com基礎講座(37,000円・既受講生12,000円・本年度コース生は受講料に込)として有料コンテンツにしています。
必要に応じて、ご利用いただければ幸いです。
加えて、コースの問題セットには、このLRBを使ったチェックリストを添付しています。

3つの添削視点と指標という問題

ローカルルールブックは、製図試験の特殊なルールを解説するということなのですが、「はじめに」で前述したように、その先にある「添削すること」を目的としています。ルールが違えば、採点ウエイトは異なります。ですから、ローカルルールに基づく採点ルールを解説しているということにほかなりません。
ところが試験を巡るローカルルールへの視点は、試験採点者・製図試験指導者・受験生でその視点が異なります。そして視点が異なれば当然ルールが異なります。これがこれまでどんな資格学校でもこのルールブックが作れなかった問題点なのです。
製図試験comはこのパンドラの箱を開けることにしました。

試験採点者視点
不合格要因だけを探して、ひたすら合理的に少ない手順で不合格者を決定すること
製図試験指導視点
試験のしくみを理解してもらい、理屈をわかった上で不合格要因を指摘すること
受験生視点
自身のプランが合格するように願い、図面が正しい前提でミスをチェックすること

こんなに違うんですか・・・。 はい、こんなに違うんです。

そしてこの違いを理解できていないままだと、どれだけ学習研鑽しても、ある一定以上の精度が上がりません。
難しいのは、2点。
受験生は、自身の図面添削の際、自身のプランに愛情や思い込みがありすぎてシビアなチェックができない。
試験指導者は、試験のしくみや設計を指導する必要があり、単なる採点者視点での合否添削はしにくい。

そこで、受験生のみなさんに、採点者添削がある程度できるようにすることが不可欠と考え、3月に自己添削講座を基礎講座の中に取り入れることとしました。この自己添削講座は、後半戦受講生も必須にしようとしています。

自己添削視点を形成して、自己添削できるようになることが合格するために非常に重要なスキルだと位置づけました。自己添削できるようになれば、試験のしくみへの見え方も随分変化するはずです。

そのためのローカルルールブックなのです。

再度、無料公開と有料コンテンツ

再度書きますが、ルールブックとして、このサイトで無料公開します。そのルールに対しての具体的対応の解説と質問対応については、製図試験com基礎講座(37,000円・既受講生12,000円・本年度コース生は受講料に込)として有料コンテンツにしています。
資格学校で学んでいる方もこの基礎講座は非常に重要な内容を含むと考えています。
必要に応じて、ご利用いただければ幸いです。
加えて、コースの問題セットには、このLRBを使ったチェックリストを添付しています。