建築物コンセプト
設計条件のうち、最も重要な部分は、冒頭、1.敷地及び周辺条件の上部記載の部分となります。
ここには、抽象的な記述と、非常に具体的な記述とが設定してあります。
特に具体的記述には建築物の性格を決定づけるコンセプトレベルのことが指示してあるため、この内容を外すと非常に要求されている建築物らしくない、計画となってしまう可能性が高いです。
具体的な事例と解説
【問題文本文】
Ⅰ.設 計 条 件
この課題は、ある都市の市街地にあり、近隣住民に親しまれている緑豊かな公園に隣接する敷地に、企画展示スペース等を有する地域の公立図書館を計画する。
計画に当たっては、特に、次のことが求められている。
(1)多世代の利用や多様性の尊重・交流等を促し、地域住民の文化活動の拠点とする。
(2)読書空間は、自然採光を活用するとともに、蔵書の管理・保存に配慮する。
(3)省エネルギー化の実現及び再生可能エネルギーの導入によるエネルギー自立度を高めた計画とする。
【こう読んでおきたい】この課題は、ある都市の市街地にあり、
近隣住民に親しまれている緑豊かな公園に隣接する敷地に、
企画展示スペース等を有する地域の公立図書館を計画する。(1)多世代の利用や多様性の尊重・交流等を促し、地域住民の文化活動の拠点とする。
(2)読書空間は、自然採光を活用するとともに、蔵書の管理・保存に配慮する。(3)省エネルギー化の実現及び再生可能エネルギーの導入によるエネルギー自立度を高めた計画とする。
つまり・・・
- 具体的には北側に緑豊かな公園があるのでそれを活かした計画とすること
- 企画展示スペースを設け、これを上手く利用できる公立図書館とすること
- 読書空間は自然採光(=北側の公園利用)を活用する計画とすること
- 自然採光は活用するが、蔵書については自然採光を遮り適切と管理できること
この4点を成立させる「図書館」を計画することをコンセプトとして求めています。
多世代交流や文化活動拠点、省エネや再生可能エネルギーによるエネルギー自立度は毎回考えるべき当たり前の話。
関連ポイント(T)
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