※エスキースがうまくまとまらない方への【解説記事①】として書いています。
※軸:判断を構造として持っていない=練習不足、ではない
エスキースがうまくまとまらない。条件は読めている。
大きなミスもしていない。
それでも途中で止まり、書き直しが増え、最後まで行き切れない。
この状態が続くと、多くの人はこう考え始めます。
「判断ができていない」
「練習が足りない」
「自分は向いていないのかもしれない」
ですが、この考え方には一つ、大きな短絡があります。
「判断を構造として持っていない=練習不足」ではありません
エスキースがまとまらない理由を、「判断ができていないから」
と捉えるところまでは、間違いではありません。
問題は、その次です。
判断ができていない=練習不足=自分の責任
と、一気につなげてしまうこと。
ここで、必要以上に自信を失っていきます。
判断は、練習量ではなく「残り方」の問題です
判断が構造として身についているかどうかは、描いた枚数では決まりません。
何枚描いても、
- なぜその判断をしたのか
- どこで迷ったのか
- 次に同じ条件が来たら、どうするのか
これが言葉として残っていなければ、判断は構造になりません。
多くの学習環境では、直されるのは結果であって、判断そのものではありません。
そのため、
- 直されたところは覚えている
- でも、次にどう判断すればいいかは残らない
という状態が続きます。
これは努力不足ではありません。判断が残る練習をしてこなかっただけです。
まとまらないのは、弱さではなく環境の問題
エスキースがまとまらない人ほど、真面目に取り組んでいます。
だからこそ、「もっと練習しなければ」
と、自分を追い込みます。
ですが、判断が構造として育っていない状態で
練習量だけを増やしても、迷いは減りません。
むしろ、
「また同じところで止まった」
という経験が積み重なり、自信だけが削られていきます。
製図試験comが最初に扱うもの
製図試験comでは、「たくさん描く」前に次のことを整理します。
- どの判断を最初に行うのか
- その判断は、何を基準にしているのか
- どこで次に進んでよいのか
これを言葉として残す。
判断を「感覚」や「その場の対応」ではなく、
再現できる構造として扱います。
この順番を間違えなければ、
エスキースは少しずつ安定していきます。
エスキースがまとまらないのは、能力が足りないからではありません。
多くの場合、
判断を構造として持てる練習に、まだ出会っていないだけです。
次の記事では、この状態がなぜ「時間が足りない」という形で表れるのかを整理します。
<続く>

