※エスキースがうまくまとまらない方への【解説記事③】として書いています。
合格者のエスキースを見ると、大きく崩れている方は少ない。
特別に奇抜な案でもなく、派手なテクニックがあるわけでもない。
それでも、ギリギリかもしれないけれでも合格圏に入ってきます。
ここで、よくある誤解があります。
合格者は「迷わない」のではありません
まず最初に言っておきます。
何もわからずにラッキーパンチで合格していく方がおられるのも事実です。
不運にも迷いに負けて十分力があるのに不合格の方がいるのも事実です。
合格者も当然迷います。
不安になります。途中で「これでいいのか」と立ち止まります。
ただ紙一重で違うと感じさせるのは、迷い方と、戻り方です。
安定している人は「視界」が広い
安定して合格圏に入る人に共通しているのは、
判断がうまいことでも、決断が早いことでもありません。
視界が広い。
これが一番近い表現です。
- 今、どこを決めているのか
- その判断が、全体にどう影響するのか
- どこを外すと、どこが壊れるのか
こうした関係性が、頭の中で常に見えています。
そしてくりかえし言いますが、全ての合格者が視界が広く、
全ての不合格者は視界が狭いという話をしているのではありません。
その点は読み間違えないでくださいね。
「部分」で判断していない
エスキースが不安定なとき、多くの人は部分で判断しています。
- この動線はおかしくないか
- この室は小さくないか
- この配置はまずくないか
一つひとつは、もっともな視点です。
ですが、部分だけで判断を積み重ねると、全体が見えなくなります。
合格者は「全体の中で」仕留める
安定している人は、一つの判断をするときも、
「全体として、これは通るか」
「ここを多少外しても、他で回収できるか」
という視点を持っています。
だから、
- 多少の不満があっても進める
- 外したときの修正が最小で済む
- エイヤで決めても、致命傷にならない
結果として、確実に仕留めていく=安定しているように見えます。
これは才能ではありません
ここで、また短絡が起きやすいところです。
「視界が広い」=「センスがある」=「自分には無理」
ですが、これは才能の話ではありません。
視界が広い人は、単に判断を一段上のレベルで扱っているだけです。
- 個別の正解ではなく
- 全体の成立性で判断する
この視点を、訓練として身につけています。
そのための図書として、
細谷功の「地頭力」や、
内田樹の「街場の~」シリーズをオススメしています。
そしてこれは製図試験でなくて、普段から社会人として生きている
皆さんは身につけていることなんです。
視界が広いと、判断が軽くなる
視界が狭い状態では、一つの判断がとても重く感じられます。
「これを間違えたら終わりだ」「ここで失敗できない」
ですが、全体が見えていると、
「ここは外しても、まだ余地がある」
「ここは多少犠牲にしてもいい」
と、判断が軽くなります。
この判断の軽さが、エスキースを安定させています。
製図試験comで扱っている「視界」
製図試験comでは、部分的なテクニックよりも、
- 何を問うているのか
- 全体が成立しているか
- どこが評価軸なのか
という、全体を見るための視点を先に整えることを考えてもらっています。
視界が広がると、判断は自然と安定します。
合格者のエスキースが安定しているのは、
迷わないからでも、
特別だからでもありません。
全体が見えている中で、
確実に仕留めているだけです。
次の記事では、この「全体が見えている判断」が、なぜ減点のされ方にも影響するのかを整理していきます。
<続く>
