※なぜ減点されるのかわからない方へー評価・採点構造に関する【解説記事⑤】
採点者はどこを見ているのか
製図試験の採点について考えるとき、
多くの受験生はこう想像します。
・プラン全体を読み取っている
・判断の流れを追っている
・なぜその配置にしたのかを汲み取っている
しかし、不合格後の答案を丁寧に見比べていくと、
そのイメージとは少し異なる見え方が浮かび上がります。
採点は、
一枚の図面を「建築案」として深く読み解く
という形では行われていないように見えます。
むしろ、
一定の視点で切り取られた要素が、
成立しているかどうかを確認している
そう捉えたほうが、実態に近い場合が多いのです。
具体的には、
・必要な室が読み取れるか
・動線が成立していると判断できるか
・条件文の解釈が、ある型に沿っているか
・図面表現が、判別可能な状態にあるか
といった点です。
ここで重要なのは、
「どう考えたか」ではなく、
「そう読めるかどうか」が基準になっている、
という点です。
実は深くない採点基準
採点者が追っているのは、
判断の背景や思考のプロセスではありません。
図面に現れた結果が、
あらかじめ想定された読み方に
当てはまるかどうか。
言い換えると、
採点は「解釈」よりも
「照合」に近い作業として行われている、
少なくとも私にはそう見えます。
このとき、
図面は説明文ではなく、
判断の痕跡として扱われます。
その痕跡が、
・明確に読み取れるか
・誤解なく解釈できるか
・余計な解釈を生まないか
こうした条件を満たしていない場合、
判断の質とは別の次元で、
評価の軸から外れてしまいます。
また近年では、
図面の整い方や線の整理といった
表現面も、再び重要になっています。
きれいである必要はありませんが、
判読できることは必須です。
採点は、
図面を読み取る作業である以上、
読み取れない表現は
評価の対象になりません。
このように見ると、
採点者が見ているのは、
・判断そのもの
ではなく
・判断が、特定の形で表出しているかどうか
だと整理できます。
次の記事では、
この見え方のズレが、
なぜ「正しく描いたつもりなのに通らない」
という感覚につながるのかを整理します。
