※本稿での「変換」は、判断の質を下げることではなく、読み取りを固定するための整理を指します。
※学習構造に関する【解説記事⑨】
思考を評価に通すために
これまでのブログで、製図試験の練習が積み上がらない理由として、
- 判断条件(jud)
- 成立条件(det )
という二つの層を整理してきました。
⑦「なぜ手応えが出ないのか」では、
この二つが噛み合っていないと、練習に手応えが残らないこと。
⑧「判断条件をどう鍛えるか」では、
判断条件は整理でき、鍛えることができるという話をしました。
今回は、その続きです。
判断条件を、どうすれば評価に通る形にできるのか。
その考え方を整理します。
判断条件は、そのままでは評価されません
まず、大切な前提があります。
判断条件そのものは、
試験で直接評価されるものではありません。
どれだけ筋の通った判断をしていても、
その考えが採点官側に読み取れなければ、
評価の対象として安定して扱われない可能性があります。
つまり判断を要する問題文の部分を解釈し、
わかりやすく図面や要点として見せること
=成立条件化することで、採点の対象に変換させること
が必要です。
なぜ「判断は合っているのに評価につながらない」ことになるのか
不合格図面を見て、こう感じたことはないでしょうか。
「考え方は間違っていないはずなのに」
「判断自体は悪くなかったと思う」
この感覚は、間違っていないことが多いです。
問題はその判断が、
- 第三者に同じように読めるか
- 説明を補わずに理解できるか
- 他の解釈を生まないか
という点です。
表現しにくいことなのですが、
試験作成サイドとしては、
極力、判断条件で合否を判定したくない
モーメントが働いていると考えられます。
ですから、判断条件をそのまま判断条件というアナログな評価基準から、
アルナシというデジタルな評価基準である成立条件で評価したい
と考えています。
つまり、
判断条件として、判断していても、
成立条件として変換されてない場合、
評価の対象とならない可能性がある
という状態です。
「変換」とは、何をすることか
ここで言う「変換」とは、
判断条件を捨てることでも、簡略化することでもありません。
変換とは、
- 判断条件が
- 図面上で
- 同じ読み方をされる形(アルナシ)に
- 固定されること
です。
最も古典的な判断条件からの成立条件変換は、
歩道付きの幅員の広い道路から利用者アプローチを計画し、
歩道なしの幅員の狭い道路から管理・サービスアプローチを計画する
というものです。
ここでは、アプローチというアナログな判断条件が、
道路幅員+歩道アリナシというデジタルな記号により成立条件に
読み替えられているわけです。
変換ができていないと起きること
判断条件を成立条件に変換できていないと、
図面は次のような状態になります。
- 一見すると成立している
- しかし、読み替えが必要になる
- 判断の理由を、頭の中で補足しないと理解できない
この状態では、評価は安定しません。
その結果、
・評価される年度と評価されない年度が生じる(合否ラインに対応できない)
・練習では良く見えるのに、本番で不合格になる
・回答について再現性が持てない
といったことが起きます。
判断条件を変換するための視点
判断条件を成立条件に変換するために、
意識しておくべき視点があります。
それは、
「この判断は、図面のどこに固定されているか」
という問いです。
- 配置で示しているのか
- 動線で示しているのか
- 室同士の関係で示しているのか
- 余白や余裕として示しているのか
判断条件が、図面のどこにも固定されていない場合、
その表現がない=採点の対象にならないわけです。
変換ができると、何が変わるのか
判断条件が成立条件に変換できるようになると、
結果は大きく変わります。
- 図面に判断の一貫性が出る
- 添削の指摘が、理由付きで理解できる
- 同じ課題でも、判断が安定する
そして何より、
「なぜこの図面になったのか」を、他人に説明できるようになります。
これは、合否以上に重要な変化です。
製図試験comがこの点を重視する理由
製図試験comが、
判断条件と成立条件を分け、その変換を重視するのは、
- 試験に合格するため、はもとより、
- 練習を再現可能なものにするため
です。
判断条件が変換できるようになると、
練習は「作業」ではなく、検証になります。
その積み重ねが、本番での安定につながります。
注)ただし、判断条件→成立条件についてのステレオタイプ(単純化された型思考)での暗記は、逆にそれ自体が最も狙われやすいということもお忘れなく。
ここまでのまとめ
- 判断条件は、考え方そのもの
- 成立条件は、その結果として読める形
- 両者は別物であり、つなぐ作業が必要
この「変換」という視点を持てるかどうかで、
製図試験の練習は、まったく違うものになります。
ここが、製図試験comがたどりついた製図試験対策の中核になります。
このコンセプトの元で学んでみたいという方は、zoom等でご相談ください。
