アナログシンセサイザー
私自身、高校生の時にCS10というアナログシンセサイザーを中古で購入しました。
日本で始めて10万円を切るシンセサイザーですが1音しか出ない機械でした。
その次に出たのがアナログ・シンセサイザーCS15。全て2系統あり、2音同時に音が出ました。
小田和正が使っていたプロフェット5というシンセサイザーは、これが5本あり、5音同時に鳴ります。
つまりCS10が5台分入ったアナログシンセサイザーはプロフェット5です。
デジタルシンセサイザーの衝撃
その後、坂本龍一が愛用していたDX7というデジタルシンセサイザーが出現します。
原則、音数を増やすには、回路を増やさねばなりません。しかしDX7は1回路しかないんです。どうしたのか。
1つの回路をデジタルで1/16等分し、信号を最大16音分送ることにしたんです。
それは蛍光灯が1秒間に60回点滅していることに人間の目が追いつかないように、1秒を聞き取れない回数でデジタル分割することで、ドミソ~と順番に発音しているのですが、同時に聞こえるまでその細分をするというしくみです。
つまり単音で16音順番に鳴っているのですが、同時発音のように聴こえる。これがデジタルシンセサイザーの原理です。
ステップエスキースの発想の原点
エスキースを指導する際、意匠設計者が同時にマルチで条件を読み込んで一気にやれる方法を、どうやって一つ一つしか処理できない設計未経験の受験生にやれるようにするのか。この回答のひとつが、このデジタルシンセサイザーにあります。
つまりマルチには処理できないが、情報をひとつひとつ処理していくことであたかもマルチに処理しているように振る舞えるのではないか。
これがステップエスキースの発想の原点にあります。
もちろん習得するにはそれなりの時間は必要ですが、設計経験者ではなくてもこの方法なら処理できるのではないかと考えています。