合格率26.6%、失格(ランク4:48.0%)
約半数の受験生がランク4で失格になり、4人に1人の26.6%しか合格できない製図試験とは一体なんなのだろう。そもそも5割を超える合格者を出していた製図試験が、時代を経ていつのまにか半分となった。
では受験生はそれほど質が下がったのか。力がなくなったのか。努力しなくなったのか。
否、否、否。
である。むしろ、涙ぐましいくらい努力している受験生がほとんどである。
しかも合格者の2/3が20代となり、30代以降の合格者は1/3となった。
受験生の1/4しか合格できず、合格者の2/3が20代ということであれば、30代以降の合格者は6人中1人=16%程度ではないか。
この現状に絶望し、建築業界を離れる方もいると耳にする。
多くの受験生から、合格する自信がなくなったと打ち明けられる。
では試験自体は難しくなっているのだろうか。
いや、それは最も難しかった平成16年や平成20年に比べれば、むしろ平易になっている。
しかし、採点基準が厳格になり、かつ合格率自体が半分程度まで下げられていることで、平易だが合格しにくい試験となっているのが現状なのだ。
壊れた自信を再構築する戦い
合格率33%なのであれば合格できていたであろう受講生の合格の夢を根こそぎ奪った合格率26.6%。小さなミスで不合格になった受験生の心境は、筆舌に尽くしがたい。
「平易なことをノーミスで履行する」というミッションに対して、壊れてしまった自信を取り戻すのは、それを上回える決意と信念をもって、立ち向かうことが必須であろう。
覆水盆に返らず、一度壊れた自信を再構築するのは、新たに作り上げるよりも困難な作業であることは間違いない。
でもね、あなたがここで諦めたら、ゲームセットになってしまう。
この再構築には、大きな代償を伴いつつ、あなたが向かうだけの価値あるものにしなくてはならない。
自らの尊厳を取り戻す学習へ
私が解説してきていることのひとつに「勝負」の話がある。どれだけ努力しても、その過程が素晴らしいことであっても、結果を伴わないことがある。過程がどれだけ良くても、能力があっても、努力を重ねてきても、当日の些細なミスでやられてしまうことがあるのが「勝負」なのだ。
不合格だった受験生は、その勝負に負けたことになる。
しかし考えてほしい。
あなたが、仕事や家族や人間関係を痛めてでもトライした製図試験勉強は、事実としてあなたの中にプロセスとして残っている。その過程には大きな意味と価値がある。
「勝負」には時の運がある。
けれども、だからといって、あなたの過程や生き方やトライに賭けてきた「尊厳」を失ってはならない。
むしろ何度でも何度でも立ち上がって、自身の尊厳を賭けて、もう一度、あなたのトライを信じる権利を、あなたは行使できる。
やらされる勉強ではなく、仕方なくする学習ではなく、あなたがあなたの尊厳を賭けて戦う学習とその方法を提供したい。それが製図試験受験産業に身を置いている私にできる唯一のことです。
胸を張って、試験会場に臨む自分自身を再構築する勝負を、共々に試みたいと願っています。
新年の挨拶に代えて
2025年元旦
製図試験com代表 山口 達也