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R06「大学」本試験総評

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山口@製図試験comです。

よく練られた課題でしたね。しかも裏をかいてくる執拗さに解きながら思わず感心していました (*1-*4) 。 予想通りの基準階で面積・階数とも指定なしで5-6階の可能性がある出題でした。本年度の受験生のレベルは基準階に絞れていなかったため、あまり習熟していないはずなのですが、その割に令和に入ってから近年で最も難しい課題であり、JAEICの無謀なチャレンジ精神に感服した次第です。相当ギリギリな合格者を出さざるを得ないのではないかと推測します。

■コンセプト:駅前サテライトの建築学科棟

北に駅ビルと南に商業施設に挟まれた敷地で一般の方々が毎日前を通る場所で建築学科棟ってちょっと設定としてはひどいと思われます*1。シンクロニ模試では教養学部棟を出題したのですがその逆でしたね。そのため、研究室が2度見するくらい多かった(18室以上)です。

■敷地条件

真北ですが近隣商業であるため北斜はかかりません*2。西側が80m道路となり、2Aかつ35mで西側35mは道路斜線がかかりません。近商=非住居なので道路斜線は1.5で東側だけみておけば十分でした。

南北の隣地斜線は近商なので非対象です。採光も採光補正係数=D/H×10-1ですから後述する免震3mを空ければ、13m近く届くので3層までは問題ありません。2階が4層もしくは5層になる場合でも0.3程度確保できるため、なんとかなるという*3。つまり道路斜線のみ東側にかかるというトリカゴになります。

アプローチは東西に必要になるため、免震層上部に駐車場を設けるのか否かあたりは減点項目でみてくる可能性が高いと思います。

■建築物

階数指定、面積範囲指定、部門指定がなく、人数指定の面積なしで主要な要求室が出題されています。本年度もエントランスホール、便所は指定なしで、やはり誘導基準ではなく円滑化基準+UDでした。

要求室自体に部門はありませんが、基準階設定がなされていたため、わかりやすかったと思います。

動線・ゾーニング計画は平易で、ポイントは基準階3層5階なのか、4層6階なのかというところでしょう。用紙が5階建て範囲であったことから5階建てが答案想定だと考えられますが、6階建てでも成立する条件となっています。ただ用紙をみて5階と判断した方も多かったのではないでしょうか。

■ゾンビの多い出題+意外と少ない作図量

要点では、免震基礎、特定天井、屋上レイアウトという過去出題されている問題がゾンビのように出題されました*4。
意外ときちんと押さえておかないと書けないような出題に時間がかかった方も多かったのではないでしょうか。

室内レイアウトは、講堂と図書室のみ。免震基礎とかが面倒だったかとは思いますが、意外と少ない作図量でした。

■最小限講義室レイアウトを含むパーツを押さえていればプランニングは平易

私自身も当日エスキースでは、講堂と教室の人数に対する室面積把握に時間が10分くらい取られました。この部分をしっかり練習して1.5m2/人程度でレイアウトイメージがあれば、山場は5-6階部分であり、どちらでも成立するので、比較的平易なプランニングであったと思われます。また講堂は1階階高さを上げるか、上部吹抜けにするかでプランニングの難易度は変わったと思います(どちらでも可)。

■最後はアルナシ・法規・数字

おそらく、未完、上下階不一致、室数のアルナシ、室面積(以上等)の数字間違いで半数は不合格になると思われます。それに加えて、通常の延焼ライン+防火設備、二方向避難、面積・竪穴区画+特防設備、東側道路斜線、採光アウトの代わりに免震クリアランスの減点が大きいかと思われます。

■再現図で終えよう

どんな状況でも再現図を描いて、今期を終えましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。

2024年10月14日 

製図試験com 代表 山口 達也

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