はじめてラクダを観た者は、この未知なる生物から逃げ出した。
二度目に観た者は近づいた。三度目に観た者は勇気を出してラクダに乗ろうとした。慣れるということは、こんなふうに全てを何でもないものにする。
恐ろしく奇妙に見えた生物も、何度も見ているうち、私たちにとって見慣れたものとなる。
この寓話どう読む?
引用した「座右の寓話」では、
「一見するとラクダは恐ろしげで奇妙な動物であるが、慣れてくると愛嬌があってかわいい生き物に思えてくる。要するに「初見は当てにはならない」ということだ」と解説されている。
しかし、製図試験受験者はそう読まないであろう。
初見で新しい記述に驚かないために
私ならこの寓話は、「初見で新しい記述に驚かないためにどうすべきか」と読みます。
まず、そのラクダを観たのは、あなたは初めてかもしれないのだけれど、それでも4割の方が合格する試験で出題されていることを思い出してほしいです。
たしかに初見でラクダを観たら驚くかもしれません(0.5秒)。しかしもう一度よく観てみてください。手法としては、今まで知っている動物との比較です。馬に近い? ダチョウに近い? どうも肉食ではなさそうなので、身の危険は蹴られたりする以外はなさそうだ。
では馬のような使い方=乗馬が可能なのかもしれない。という発想はありですよね。もちろん鹿やサイのように乗れないかもしれないので注意が必要ですが、これまで知っている知識を最大限動員して、それらしい何かに置き換える想像力(≠創造力)が重要になります。
あなたが本試験で初めて体験することのほとんどは、ラクダ程度です。何もビビる必要はありません。
そもそもあなたをビビらせようとして、わざと出題しているのですから。