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BLOG:合格への道

2020年「高齢者介護施設」試験総評

■総評

□ユニットケア型かつ作図量の多い課題=時間管理勝負
まず通常型とユニットケア型が想定される中でのユニットケア型が出題されました。
次にユニットケア型が、2-3階に渡る3ユニットまでは想定範囲内だったのですが、予想以上に作図量が多かったことの判断がつかず、作図時間に追われて見直し時間がほとんど取れない方が続出している状況であったと考えられます。
各ユニットには玄関がついているため、ユニットの独立性も問われることになるかと思いますが、今回の出来の状況如何では、減点で済む可能性もあります。
プランの善し悪しよりもミスチェック不足によるあるなしで合否に大きな影響が出る出題になったと思われます。

□初めての四面楚歌な敷地条件
2ユニットケア型の場合、恐らく敷地で何か仕掛けてくる可能性があると考えていたので、変形敷地や斜線、絶対高さ指定や中庭指定を練習していたのですが、四面楚歌な敷地は思いつきませんでした。初めての4m道路、4周とも延焼ラインが発生する敷地、採光補正の掛かる住宅地隣地。向けられない方向に向ける場合はセットバックするという基本に戻れたかどうかは大きいと思います。

□ゆるゆるなプラン
ユニットは、南北ユニットでも東西ユニットでも可能で、なおかつコア配置もかなり緩く、様々なプラン構成が考えられた出題でした。スパンを縛る個室の17m2以上についても、6×7、7×7、6×8、かつインバルコニー、アウトバルコニーも自由でしたので、スパン選択肢も多い出題となっています。下手に迷わなければ、エスキースは平易であり、まとめやすかったとも言えます。

□法的な縛り
放火区画はスプリンクラーをつけているので3000m2区画となるため、全部防火設備でもOKですが、道路斜線、延焼ラインについては厳しくみてくる可能性があります。なお、建物にかからない延焼ラインは描かなくても構いません。特に北側道路からの延焼ラインは抜けている方が多いと思いますが、キャノピーに当たらない限り大丈夫かと思います。

□ちょっとひねっただけの構造の出題
既存建築物の地盤改良は、要点もしくは断面図で触れておく必要があると考えられます。この手の出題は減点するために出されているため、罠に掛かっている答案は確実に減点される可能性が高いわけです。失格にするかどうかは採点者判断にゆだねられると思われます。

□失格項目を踏んでいなければ土俵に登れる課題
全くダメだったー、再現図を描いていて自分自身の不出来が嫌になった、というつぶやきをいっぱいいただいていますが、未完や図面の不一致等の一発失格がない限り、今回は全員採点対象になると思います。そういう意味では昨年の美術館の分館とは大きく違います。ご自身と向き合うためにも再現図を描いていただき、そして次のステップに進んでください。

製図試験comとしての総括

まず、重要なことは、私たちが試験課題前にどのような予測をし、それがどの程度の確度であったのかを検証しておく必要があります。
・想定内だった点
弊社「課題分析帖」では、再三にわたって、本年度課題は曖昧な出題になると分析してきました。
階数、図面も不明、構成も不明、条件も恐らく曖昧、いくつも解答例が出てくるような出題を想定していました。
また2ユニットケア型と1ユニットケア型に大別し、最終的には1ユニットケアの延長線上に通常型を置くことで、2ユニットケア型と1ユニットケア型に絞った出題をしてきました。とくに2ユニットケア/階は10課題中3題行ったのでほぼ想定通りだったのではないかと思われます。
過去にない道路幅員4mはやり過ぎですが、道路斜線、採光補正係数も想定通りでした。

・階想定外だった点
2ユニットケア型の場合、どの方向に向けるかがポイントになると考えていたのですが、まさかの四面楚歌な敷地でしたね。このような敷地は過去に例がなく、3秒くらい驚きました。採光補正係数から逆算できていればよいのですが、バルコニー先からの窓先空地が3m欲しい課題となっています。
特養で出題した場合、特別避難階段が出題される可能性があったのですが出題されませんでした。
構造系は、地盤改良、ルート計算、キャノピーの構造、と基本的な部分が出題されましたが、構造の記述はもう少しやっておいてもよかったかなと悔やまれます。

・想定していたが想定を超えていた点
やはり作図量ですね。課題分読解時点で作図量が多い判断はできたと思いますが、3ユニットは昨年の1.5倍の作図量が合ったと思われます。
また曖昧な出題ということでは、室面積の適宜が多かったことが挙げられます。
これまでの作図量という指標ではなく、考えれば考えるほどプランが良くなるのに、蟻地獄のように時間が取られていく感じの作図量でした。練っていいものを計画するより、時間を切って、バサバサたたみかけるような作図方法の構築(パーツ変形法)のような練習が必要になる作図量でした。

2020年10月17日
製図試験com 山口達也

 

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