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2022年度「事務所ビル」合格発表所感。

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俯瞰ー最低の合格率

学科の合格率が高かったためもあり、総数を絞ってきたのでしょうか、33.0%という最低の合格率でした。
実務経験別合格者数では、例えば大学を卒業して、2年以内のこれまで受験できなかった方々が、全体の約3割を占めています。これは逆に大卒3年目以降の受験生の門戸が非常に厳しくなっていることを意味します。計算すると、2,470人/10,509人=23.5%。 従来組の合格率は23.5%、4人に1人を切るということになります。

 厳しい。その一言に尽きます。

採点のポイント

採点のポイントには、当然と言えば当然ですが、「計画の要点」で問われている内容も含まれていますね。
ただし事務室の収益性・可変性・快適性について、一体どのような採点がなされているのかは全く不明です。また構造計画では地盤条件や経済性を踏まえた基礎構造の計画とありますが、これもどう採点したのでしょうか。再現図分析で明らかにしていければと思います。
こんな当たり前のことを当たり前に計画して図面化しなさいということが採点のポイントになっていて、かつその詳細は全く明らかにしないこのやり方に、わたしとしては相当な違和感があります。

未完、不整合、法令違反はお決まりの不適合項目として、新たな欠損条件に要求室だけでなく、外構の駐車場、駐輪場が入っているのは厳しいなと感じました。駐車場一台抜けても不合格とするということです。

標準解答例

標準解答例については、製図試験comは全く信用していません。どこまでもJAEICが採点するときにどうしたかという言い訳用に用意した解答例だからです。その上で詳細にみていくことにします。

標準解答例1

まず柱芯ではなく、壁芯での図面。時間がない中、そんなことをする受験生はいないであろうに。寸法も北側は壁芯レベルでの寸法表記があります。面積算定用だけでよかったはずなのに。何がやらせたいのでしょう。階段の段数についてはこれまで標準解答例自体が非常に曖昧だったのですが、今回は階高さも非常似重要な要素になるため、段数表記となっています。
南側には謎の庇があり、その部分が最小後退距離となっていますね。
その割に1階にPSがない・・・・。どういうことやねん、と思います。
プランはありきたりの北側コア。ですが、車いす駐車場からのアプローチは北側通用口からセキュリティゾーンに入るというもの。本当に製図試験は導線・ゾーニングが甘くなりました。一方、レストランはエントランスホールから入れません。完全に複合建築物です。これは「複合建築物は出題しない」という平成21年以来のお約束ごとを反故する内容となっています。まるで反撃能力を閣議決定して保有するかのごとくで全く許しがたいことです。受験生に約束したことも守れない、本当に劣化した試験と成り下がってしまいました。

標準解答例2

2はセンターコアの解答例ですが、この規模でセンターコアプランにする意味がどの程度あるのかは不明です。多くの受験生が南北に細長い1スパンオフィスを計画し、東西に長いセンターコアとしていることへのアンチテーゼが含まれているのではないかと思われます。この東西コアでの合格率がどの程度だったのかとかは、再現図分析が不可欠になります。
1階はセキュリティゲートはなく、フリーで入られる設計となっていますが、これで通用口の機能が保たれるのか。同然・ゾーニングともに下手なプランで受験生をなめているような解答例で本当にがっかりします。窓ガラスが二重になっているのか、ルーバーになっているのか全く不明。表記もありません。こんなプランでもミスがなければ合格するとうたっている解答例となっています。

あらためて、新たな段階に入った製図試験

残念ですが、製図試験は、アルナシとミスチェックで合格するような試験に様変わりしています。
その部分をどうクリアしていくのか、そこに視点を当てない限り、安定した合格は見込めません。

再現図との相関性

再現図との相関性については、分析後アップします。

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