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えさをなくしたカバ

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久しぶりの製図の寓話です。

池向こうでえさをくえていたカバが、池を渡ろうとしたときのこと。
泳いでいる途中で大事なえさをなくした。
前を見たり、後ろを見たり、右を左を見たり、カラダの下を見たりしたが見つからない。
池の畔にいる鳥や動物たちは「少しやすんだ方がいい」と助言した。
しかしカバは、永遠にそのえさがなくなってしまうのかと恐れ、
必死で探しまくったが全く見つからず、とうとうその場に座り込んでしまった。

カバが動き回るのを止めると、池は静寂を取り戻した。
すると濁っていた水の泥が沈み、底までみえるようになってきた。
こうしてカバはなくしていたと思っていたえさを取り戻した。

座禅の語源はジャーナ。

ジャーナとは、心を静かに保つというサンスクリット語の dhyāna の音写である禅と、訳した定の複合語で「静慮」とも訳されています。
心を静かに保つことで、心の中に舞い上がった泥を沈めてみることも大切だと思います。

クライアントとしての試験

製図試験comでは、この試験をクライアント(施主)として見立てています。あなたをなんとか不合格にしようとしているクライアントを納得させるためのプレゼンテーションが、製図試験です。
そういう視点に立ったとき、受験生の多くはとにかく問題をたくさん解くことばかりしていて、焦ってバタバタしているだけの状態って、もう不合格にさせたいクライアントからみたら、ほくそ笑んでいる状態になっていると思いませんか。
このクライアント、最も嫌な設計者(受験生=あなた)は冷静沈着な方なんです。慌てないで冷静に問題点を指摘してくる受験生が大の苦手なんですよ。
なぜなら、出題自体を難しくするのは、出題者側にとってもリスクだからです。難しすぎる問題を作ると4割が合格ラインまで届かない状態になってしまい、不合格点合格を出さねばならないという非常に論理矛盾した制度になってしまう。これは拙いわけです。

問題の難度に合わせて対応を変える

上記のカバ、池でえさをなくした場合と、平地でえさをなくした場合は、探し方が異なりますよね。またえさの種類によっても、天候や季節によっても異なるはずです。そういうケースケースごとに対応を変えられる力、これが一級建築士に求められている職能だと私は考えています。
様々なケースに対応できる力自体は、一級建築士受験に限らず、これからの人生できっと役に立つスキルです。
え、そのスキルがない? ならばこの製図試験をケーススタディとしてトライすることで合格して、スキルも身につける、ということになります。
おんなじような問題を解いてバタバタするのではなく、対応力の一点を見据えて日々の学習研鑽に励んでほしいと願っています。

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