あるところに、一人の愚かな男がいた。
男はある時、瓶の中に穀物を入れてラクダに与えていたが、とある日、ラクダが瓶(かめ)の中に頭を突っ込んだまま、食べ終わっても頭を出さなくなった。
男はどうしようもなく、ほとほと困り果てた。そこに一人の老人が近づいてきた。
「心配することはない、良い方法を教えてあげよう。私の言う通りにすれば、必ずラクダの頭を出すことができる。まず、ラクダの頭を切ってしまいなさい。」
なるほど!と男は老人の言葉を信じて、ラクダの首を切った。
老人は続けた。
「瓶を壊しなさい。」
男は言われるがままに瓶を叩いて壊した。
そして無事、ラクダの頭を取り出した。
何を想定しているのだろう・・・
「そんなことするわけないやん!」という内容ですが、寓話は何かを示唆するための作り話ですから。
では一体、この寓話、何を伝えたい話なのでしょうか。
それを考えると、そうでもないことに気づくかもしれません。
苦境でパニックになる受験生
苦境になった際、追い詰められると人間、何をしでかすかわからないものです。ましては極度の緊張で製図試験に臨まれる受験生の皆さんの中には、普段は絶対やらないことを、試験当日のみやってしまうケースが散見されます。
また本人はしっかりしているつもりでも、突然の出題内容にパニックになってしまい、とんでもないこと、まさにラクダの首を切ってしまう、なんてことをやってしまうことは、実際にあるんです。
まさに平常心をいかに保つか、ということが製図試験には求められるわけです。
シンプルな対応方法
一方、その防ぎ方は意外にも簡単です。
これがクイズタイムショックだったら、1分で終わってしまいますからリカバリーもできないままラクダの首をバサーって切っちゃうかもしれません。しかしこの製図試験は6時間30分の長丁場なんです。
ですから、一旦驚く、パニックになる、でも。よく考えたら、たいしたことないよね、いつもの手順でやればよい、と戻られる時間が十分にあります。
驚かないように、パニックにならないようにがんばるのではなく、驚いてもパニックになるかもしれないけど、リカバリーできればよいわけです。
焦って、ラクダの首を切らないように。