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相対評価と絶対評価について

一級建築士設計製図試験は、誰がどう見ても相対評価です。ただし試験作成サイドであるJAEICだけは、公式にそれを認めていません。しかし最近、いろんなテキストで試験のしくみを学習すると、意外に面白いことを発見しました。
それは、なぜ相対評価なのか、なぜ絶対評価なのか、という話です。意外と深く考えたことがないですよね。
このブログはその話。
国、行政がやることなので、なんらかの論拠ベースがあるのではないかと考え、探っていたら「試験制度設計のマニュアル」的なテキストを見つけました。確かによく考えると試験なので学習指導要領ではありませんが、なんらかのガイドラインやマニュアルが存在するはずです。

テストの作り方は、相対評価と絶対評価とでは異なります。どんなテストがよいテストなのかという判断基準が異なるからです。

相対評価の場合、一番問題になるのは「差がつくかどうか」ということです。
順位をつけなければならないので、全員が同じ点数では困るからです。テストを受けた人の点数に差がつくことを、そのテストに「弁別力」があるといいます。想定評価に用いられるテストを作る場合、弁別力を高めるための工夫が求められます。受験した方が全員正解する項目や、反対に全員が答えられない項目はテストの弁別力を低下させるので、含まないようにします。つまりその項目を入れても、差がつかないからです。100点も0点も少人数になるようにテスト項目の難易度を調整します。それで相対評価用の差がつくテストができあがるわけです。

一方で絶対評価の場合は、受験者に差をつける必要がないので、弁別力は問題になりません。全員100点でもかまわないからです。問題になるのは、合格するだけの実力がしっかりついているかどうか、このテストで点数を取るということが目標を満たしたことを本当に意味しているのかという点です。目標とテストとの間にズレがないことを「整合性」が高い、あるいは「整合性」が確保されたテストであると言います。教材で教えたいと思っていることが確実に学べた人がテストで高得点を取って合格できれば、そのテストはよいテストです。逆に実力がついてないのに偶然高い点数を取ってしまったり、教材で教えていること以外後からで高い点を取ってしまう場合は、悪いテストということになります。絶対評価の場合、引っかけ問題を入れたり、わざと教材の中で教えてもいない難問奇問を含める必要がないのです。実力がつけば全員合格、その代わり目標レベルに達していない人は確実に落ちるテストをめざします。

引用したこのマニュアルからわかるように、明らかに製図試験は相対評価軸で判定されています。40%前後の合格者は決められていると考えてよいでしょう。ですが、試験の考え方としては絶対評価、つまり一級建築士たり得る知識と技能を有していることを判定できる試験を作っていると公言しているわけです。内容は絶対評価軸で、試験は相対評価軸で構成されている、ここにこの試験の根本的な矛盾があるわけです。

ですから試験対策的には、一級建築士たり得る知識と技能を身につけることはもちろんですが、相対評価のために用いられる「弁別力」が発揮される部分=引っかけや奇問、間違いを誘発する要因が、意図を持って含まれていると考えることが不可欠であると位置づけることができます。

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