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令和元年度(2019)一級建築士設計製図試験1208版本試験総評

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例年より2ヶ月も長い受験勉強、本当にお疲れ様でした。1208版本試験の総評を行います。

その手があったか1013版の焼き直し課題

メルマガでは前にやった課題の残像を消すことの重要性を書いてきましたが、1208版は、1013版の焼き直し課題となっており、残像を持っている方とフラットに読める方の差異を体感できる出題でした。要求室等の条件が同じでもアプローチ条件が変わってしまえば全く異なる施設になるのは当然なのですが、JAEICがまともにそれに取り組んできたのは驚きであると共に、今後、災害等による追試についてこの手を標準にはできないだろうと思うと、かなり禁じ手のような出題だったのではないかとも感じました。敵ながら天晴れ!と感じつつも将来の出題には禍根を残すことになるだろうなあと思った次第です。

利用者の主アプローチ:道路か本館か

歩道付道路8mの前面道路は恐らく初めての出題だったのではないかと思います。しょぼい。しょぼすぎる。通常、別敷地である分館の場合、道路からのアプローチが主になり、本館からのアプローチが従になるのですが、含みを持たせる選択肢となりました。ただしオープンスペース(h10以来)を絡ませてきているので、オープンスペースアプローチとなっていればそれで十分かと思われます。

 スパン割:4×5-2か3×6か

大空間の要求室が多目的ホールだけだったので、スパン割としては、奥行きがない方が計画しやすく、3×6の方が計画しやすかったはずですが、1013版が4×5-2タイプであったことから、6mx8mスパンを使って、4×5-2とした方が多いだろうと思われます。ただし、7mx7mスパンで4×5-2を計画すると東側道路斜線に当たる可能性があり、また敷地の使い方としても不必要な空き地が出ることから敷地の有効利用という点では厳しいと思われます。等スパンで計画しておいて、最後にスパン調整をすればいいのは1013版と同じでした。

 多目的ホール:1階か2階か

これも1013版の残像があると、1階となるところです。弊社では1階案と2階案を作成しましたが、2階案の方がバランスはいいですね。1階にすると2階がかなり窮屈になります。
バランスをとるのか、ゾーニングを守ることをとるのかは、この製図試験の永遠の課題ですが、論理的整合性が構成できればどちらも合格できる案が作れます。

ゾーニング:3案あり。

  1. 多目的ホールだけ別扱いで1階、2階アトリエ系、3階展示系
  2. 多目的ホール2階かつ市民アトリエ別扱いで2階、1階アトリエ系、3階展示系
  3. 2.と同様で1階に展示系、3階にアトリエ系

この3案まででしょう。あとは準備室とか講師控室を別階に振り分ける案を使って減点勝負という可能性があります。ただし2)3)については計画の要点でその整合性を説明しきれるかに掛かっており、多目的ホールを2階に計画する是非を説明できなければ厳しい可能性があります。以上のような幅で答案はばらけることになるかと思います。

いずれにせよ再現図を描いて本年度を終えよう

本年度の最後のワークが再現図です。これを持って本年度受験の全てを終えてください。
再現図の申込は終了しています

2019年12月10日
製図試験com代表 山口 達也

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