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建築士とは国民の生命と財産を守る仕事

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■小さな見逃しからの漏水事故

年初で大変残念なのですが2019年年末に施工した現場で竣工後に事故がありました。マンションのリフォームで、床のフローリング張り替えをした際のことです。それまでの床材ははがさずにその上からベニヤを捨て張りして無垢のフローリングを張るという工事で20mm床面が上がることになりました。ドアやクローゼット、そしてキッチンユニットは下端を2cmカットしたり、上げることになりました。
そして竣工してから1週間後、下階に台所のキッチンユニットからの水漏れが起こったんです。
大工さんに上げてもらいましたが、上水部分のパッキンの締め直しについても大工さんにお願いしました。その部分のパッキンが緩んだことによる漏水でした。
私でもしめられる何でもない配管だったのですが、マンションの配管がかなり痛んでいて、パッキン自体も交換時期だったのです。大工さんのミスではありません。私の経験上からも気がつけないことはない問題でしたが、見逃しました。
年末の深夜に電話が鳴り、緊急対応しましたが、竣工の歓びが全部吹っ飛ぶような話でした。

あーあ、ミスった・・・。

もちろん漏水は止めましたし、下階の補修工事もします。でもね、取り返しはつきません。もちろん漏水による弁償はで済むわけですが、そのこと自体が消えるわけではない。国民の財産と生命を守るのが建築の仕事であり、建築士の職能です。それを守ることができませんでした。

■たかが製図試験されど製図試験

さて、このお話は製図試験のための教訓とも言えます。

あなたは、製図試験でのチョイミスを軽く考えすぎてませんか。そして私も。

そのための試練として、今回の漏水事故はあったと思うんです。私にとっては。

人間ミスはあります。必ずミスします。でも漏水だったり、漏電だったりは、「ゴメンねー」で済む話ではありません。同様に簡単に凡ミスを平気でやってしまう建築士は建築士としては不適合なのです。

■建築士製図試験を通じて。

凡ミスをしないということは必ずチェックする体制をとることでカバーできます。それを怠った方に合格はない、ということを私自身がもっと声を大にして伝えていかねばならない。そしてそれは基本でありながら最も重要な建築士の職能なのです。

それをこの年始最初の教訓として自戒の念と共に、あなたにお伝えしたかった次第です。

私たちは、ノーミスでなければならない。そういう訓練の先に一級建築士がある。

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